動画投稿サイト「YouTube」に、カラオケで歌唱した動画が投稿されているとして、カラオケ機器メーカーの「第一興商」が削除を求める訴訟を起こし、東京地裁が違法であることを全面的に認め、動画を公開した東京都内の男性(45)に公開を禁じる判決を言い渡していた、というニュースがとても気になったので、ちょっと調べてみました。
第一興商は、DAMシリーズで有名な会社です。ちなみに、JOYSOUNDの方は株式会社エクシングが提供するカラオケ機器です。
経緯
まず、男性側の言い分と、第一興商側の言い分、それから裁判に至った経緯とを順に追ってみます。
男性は、カラオケで自身が歌うリトル・グリー・モンスターの「私らしく生きてみたい」を動画で撮影し、YouTubeに投稿しました。2016年9月に、カラオケ用の音源を制作した第一興商がそれを発見して、YouTubeに削除要請を依頼しました。
男性は、自主的に動画を削除したものの納得はいかず、意義を申し立てたそうです。そのため第一興商は同年10月に東京地裁に問題となっている動画1件の削除と、これ以上アップロードをしないよう訴えたということです。
※ 削除したのは裁判前か裁判中かちょっとタイミングがわからないです。
第一興商が、「著作隣接権」を侵害されたと主張したことに対して、男性は、「自身の歌唱を撮影したものであって、第一興商の権利を明確に侵害したとはいい難いものであるからか、差し止め請求等の訴訟を提起するのは適切でなく、第一興商は連絡をとって自主的に削除する機会を与えるべきであった(出典:判決文)」と主張。
12月20日に判決があり、東京地方裁判所の長谷川浩二裁判長は、第一興商の訴えを全面的に認め、今後、動画を投稿することを禁止した、という顛末です。
これにより、裁判費用は男性が支払うこと。今後動画をアップロードしないこと。動画のデータが入っている記録媒体から動画データを削除することを裁判所から言い渡されました。
第一興商が裁判を起こしたのは今回が初めてということですが、投稿した人たちにその都度削除を要請していて、その数は年間約12万件にのぼっているということです。
たいへんだなー
著作権
著作隣接権
著作物の公衆への伝達に重要な役割を果たしている者(実演家、レコード製作者、放送事業者及び有線放送事業者)に与えられる権利
著作隣接権の発生
実演、レコードの固定、放送又は有線放送を行った時点で発生する(無方式主義)
著作隣接権の保護期間
実演、レコード発行、放送又は有線放送が行われたときから50年間
本件で第一興商が有する権利は、著作隣接権の「レコード製作者」ですね。
なお、本件に関して「JASRAC」は関係していません。
自分が歌っているの様子を動画投稿サイトに載せる方法としては、演奏なしのアカペラで歌唱したもの、それから自分で演奏して歌唱する方法があります。
知らなかった、では済まされないので、こういう法律があるということを知っておいた方がいいでしょう。
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