2016年12月1日から、衣類等の繊維製品の洗濯表示が新しいJIS(JIS L 0001)に規定する記号に変更されました。
出典:消費者庁ウェブサイト
改正の経緯
日本が加盟しているWTO(国際貿易機関)のTOBT協定(貿易の技術力的障害に関する協定)では、国際規格に準拠したした国内での対応が求められていました。しかしながら、欧米には洗濯物を自然乾燥させるという習慣がなかったため、国際規格(ISO 3758)には自然乾燥を示す記号が存在していませんでした。
このため、日本は2005年から自然乾燥を示す記号を加えるように改正提案を行い、2012年4月に国際規格が改正されました。これを受けて、改正された国際規格に整合した日本工業規格(JIS L 0001)が2014年10月に制定されたことに伴い、2015年3月に日本の国内規程である繊維製品品質表示規程を改正しました。
2016年12月1日に施行された新JISでは、洗濯記号の種類が22種から41種に増え、より細かな表示に変更されました。洗濯によって、衣類が縮む又は色落ちしたりなどの洗濯トラブルの減少に期待できます。また、国内外で洗濯表示が統一されることにより、海外で購入した衣類等の繊維製品の取扱いなどを円滑に行えるようになると考えられます。
これまでの「指示(推奨)表示」から「上限表示」に変わります。指示表示とは、記号が示す強さや温度がよい、という指示を提供するものでした。上限表示とは、記号が示す強さや温度が限度であり、同等かそれよりも弱い又は低い範囲で洗濯できることを表します。表示よりも強い力や高い温度でのお手入れは、衣類にダメージを与える可能性があるので、注意が必要です。
このため、日本は2005年から自然乾燥を示す記号を加えるように改正提案を行い、2012年4月に国際規格が改正されました。これを受けて、改正された国際規格に整合した日本工業規格(JIS L 0001)が2014年10月に制定されたことに伴い、2015年3月に日本の国内規程である繊維製品品質表示規程を改正しました。
2016年12月1日に施行された新JISでは、洗濯記号の種類が22種から41種に増え、より細かな表示に変更されました。洗濯によって、衣類が縮む又は色落ちしたりなどの洗濯トラブルの減少に期待できます。また、国内外で洗濯表示が統一されることにより、海外で購入した衣類等の繊維製品の取扱いなどを円滑に行えるようになると考えられます。
これまでの「指示(推奨)表示」から「上限表示」に変わります。指示表示とは、記号が示す強さや温度がよい、という指示を提供するものでした。上限表示とは、記号が示す強さや温度が限度であり、同等かそれよりも弱い又は低い範囲で洗濯できることを表します。表示よりも強い力や高い温度でのお手入れは、衣類にダメージを与える可能性があるので、注意が必要です。
5つの基本記号(この順に表示されます)
「基本記号」と「付加記号」、「数字」の組み合わせで表されます。記号だけで伝えられない情報は、簡単な言葉で記号の近くに記載される場合があります。これを、付加用語と言います。
付加用語の例:「洗濯ネット使用」「裏返しにして洗う」「弱く絞る」「あて布使用」など
付加記号
基本記号の下に表示される強弱・高低を示す記号。線(―)や点(●)で表します。禁止は、基本記号と組み合わせて、バツ(×)で表します。
家庭洗濯
今までは、「洗濯機洗い」は長方形、「手洗い」は洗濯桶で表示されていましたが、新記号はどちらも洗濯桶のマークに統一されました。
数字は上限温度を表します。線(―)は、強さを表し、増えるほど作用は弱くなります。線はマイナスと捉えると覚えやすいです。
数字は上限温度を表します。線(―)は、強さを表し、増えるほど作用は弱くなります。線はマイナスと捉えると覚えやすいです。
漂白
今までの三角フラスコの形から、三角形のマークになりました。
今までは「塩素系漂白剤が使えるかどうか」のみの表示でしたが、新しい表示は、「塩素系漂白剤が使える」「酸素系漂白剤が使える」「漂白できない」の3段階を示します。
今までは「塩素系漂白剤が使えるかどうか」のみの表示でしたが、新しい表示は、「塩素系漂白剤が使える」「酸素系漂白剤が使える」「漂白できない」の3段階を示します。
乾燥
タンブル乾燥とは、ドラム式乾燥機などの機械の中で洗濯物を回転させながら温風で乾燥する方式です。日本の家庭では、洗乾一体型洗濯機や回転式衣類乾燥機などがこれに相当します。
アイロン
点(●)は、アイロンの底面温度を示す付加記号です。点の数が増えるほど温度は高くなります。
旧JISでは、あて布(~)の付記が定められていましたが、新JISではこれらの定めは無くなりました。必要に応じて、「あて布使用」などの文章が付記されます。(事業者の任意表示)
旧JISでは、あて布(~)の付記が定められていましたが、新JISではこれらの定めは無くなりました。必要に応じて、「あて布使用」などの文章が付記されます。(事業者の任意表示)
ドライクリーニング
今までは「ドライクリーニングができる・できない」の表示でしたが、新しい表示では、ドライクリーニングの種類を明示するようになりました。円の中の「P」「F」は、使用する有機溶剤の種類を表します。
さらに「ウエットクリーニング」の表示(W)も新設されました。
さらに「ウエットクリーニング」の表示(W)も新設されました。
2016年(平成28年)12月1日からの新しい洗濯表示記号(JIS L 0001)
洗濯処理
液温は95℃を限度とし、洗濯機で洗濯処理ができる
液温は70℃を限度とし、洗濯機で洗濯処理ができる
液温は60℃を限度とし、洗濯機で洗濯処理ができる
液温は60℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる
液温は50℃を限度とし、洗濯機で洗濯処理ができる
液温は50℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる
液温は40℃を限度とし、洗濯機で洗濯処理ができる
液温は40℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる
液温は40℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯処理ができる
液温は30℃を限度とし、洗濯機で洗濯処理ができる
液温は30℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる
液温は30℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯処理ができる
液温は40℃を限度とし、手洗いができる
家庭での洗濯禁止
漂白処理
塩素系及び酸素系の漂白剤を使用して漂白処理ができる
酸素系漂白剤は使用できるが、塩素系漂白剤は使用禁止
塩素系及び酸素系漂白剤の禁止
タンブル乾燥
タンブル乾燥処理ができる(排気温度上限80℃)
低い温度でのタンブル乾燥処理ができる(排気温度上限60℃)
タンブル乾燥禁止
自然乾燥
つり干しがよい
日陰のつり干しがよい
ぬれつり干しがよい
※ぬれ干しとは、洗濯機による脱水や、手でねじり絞りをしないで干すことです
日陰のぬれつり干しがよい
平干しがよい
日陰の平干しがよい
ぬれ平干しがよい
日陰のぬれ平干しがよい
アイロン仕上げ
底面温度200℃を限度としてアイロン仕上げができる
底面温度150℃を限度としてアイロン仕上げができる
底面温度110℃を限度としてスチームなしでアイロン仕上げができる
アイロン仕上げ禁止
ドライクリーニング
パークロロエチレン及び石油系溶剤によるドライクリーニングができる
パークロロエチレン及び石油系溶剤による弱いドライクリーニングができる
石油系溶剤によるドライクリーニングができる
石油系溶剤による弱いドライクリーニングができる
ドライクリーニング禁止
ウエットクリーニング
※ウエットクリーニングとは、クリーニング店が特殊な技術で行うプロの水洗いと仕上げまで含む洗濯ですウエットクリーニングができる
弱い操作によるウエットクリーニングができる
非常に弱い操作によるウエットクリーニングができる
ウエットクリーニング禁止
2016年(平成28年)11月30日までの洗濯表示記号(JIS L 0217)
洗い方(水洗い)
液温は、95℃を限度とし、洗濯ができる
液温は、60℃を限度とし、洗濯機による洗濯ができる
液温は、40℃を限度とし、洗濯機による洗濯ができる
液温は、40℃を限度とし、洗濯機の弱水流又は弱い手洗いがよい
液温は、30℃を限度とし、洗濯機の弱水流又は弱い手洗いがよい
液温は、30℃を限度とし、弱い手洗いがよい(洗濯機は使用できない)
※弱い手洗いには振り洗い、押し洗い及びつかみ洗いがあります
水洗いはできない
塩素漂白の可否
塩素系漂白剤による漂白ができる
塩素系漂白剤による漂白はできない
アイロンの掛け方
アイロンは210℃を限度とし、高い温度(180から210℃まで)で掛けるのがよい
アイロンは160℃を限度とし、中程度の温度(140から160℃まで)で掛けるのがよい
アイロンは120℃を限度とし、低い温度(80から120℃まで)で掛けるのがよい
アイロン掛けはできない
ドライクリーニング
ドライクリーニングができる。溶剤はパークロロエチレン又は石油系のものを使用する
ドライクリーニングができる。溶剤は、石油系溶剤のものを使用する
ドライクリーニングはできない
絞り方
手絞りの場合は弱く、遠心脱水の場合は、短時間で絞るのがよい
絞ってはいけない
干し方
つり干しがよい
日陰のつり干しがよい
平干しがよい
日陰の平干しがよい
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